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マンション査定が高くなる裏技ってないの?
裏技ではないけど、
不動産会社がどこを見ているかを知ると、注意したいポイントがわかるよ。
マンションを売却しようとすると、まず不動産会社に査定をしてもらう必要があります。査定とは物件を評価して売り出し価格を決めること。実際の査定では、担当者がやってきて室内やベランダ、マンションの外観などを確認していきます。
彼らがどんなところを見ているか知っておけば、こちらも対処が可能です。今回は不動産会社の査定ポイントを解説します。
不動産会社がマンション査定で見るポイント
不動産会社の担当者は多くの場合、カメラとチェック表を片手に査定を行います。その担当者がマンション査定で見るのは、主に対象となる物件、その物件を含むマンション全体、そしてマンション周辺の環境です。それぞれの場所のどんなところを見ているのか、チェックポイントを確認しておきましょう。
物件自体の情報
まずは物件自体、つまり住戸内の情報です。室内の情報は見て確認するポイントと所有者にヒアリングするポイントがあります。物件のことを一番知っているのは所有者。このため、多くのことを聞いてきます。不動産会社の担当者が物件自体のどこをチェックし、どのように情報を集めるのか確認していきましょう。
マンションの設備・内装
設備や内装は真っ先に確認します。設備が壊れていたり、クロスがはがれていたりするとマイナスポイントです。反対に設備が新しいものに更新されているなど、リフォームがなされていると、その内容次第でプラス評価にもなります。所有者しかわからないような不具合などは最初の段階で申告しておくと、後々トラブルになりにくくなります。
マンションの広さ・間取り
室内の広さや間取りも確認します。住戸内の広さはマンションでは変わらないため、確認するのは主に体感的な広さです。間取りについては、購入後にリフォームで間取りが変わっている場合があるため、確認します。もしも間取り変更を含むようなリフォームをしていた場合には、リフォーム時の設計図面などを提供しましょう。
住戸位置(階数・方角)
住戸の位置も確認します。確かに階数や開口部の方角などは事前確認事項です。現地で見るのは、現地でしかわからない事項。例えば、日照や眺望、景観などです。南向きの住戸でも目の前に同じ高さ以上の建物があると眺望が悪くなってしまいます。北側の住戸であっても、そこから見える眺望や景観が素晴らしいこともあります。こうした点を実際に目で見て確認しているのです。
リフォーム履歴
リフォームの履歴は管理組合でもある程度履歴を追うことはできます。ですが、こうした情報はやはり所有者が一番知っている事項です。大きなリフォームであれば設計図面があるのでこれを提供しましょう。小さなリフォームや修繕は図面や短時間の内覧ではなかなかわかりません。こうしたリフォーム履歴はできるだけ詳細に情報を提供してあげましょう。
騒音や臭い
騒音や臭いも現地でしか確認できません。最近のマンションの防音性能は優秀です。ですが、マンションの外部からの騒音を防げてもマンション内の音を遮断できていない場合もあります。臭いについては、特に室内でペットを飼っている場合などは特に注意して確認します。
駐車場のある・なし
駐車場の有無は事前の調査でも確認できます。現在の空き状況も同様で、主な確認先は管理組合や管理会社などです。マンションによっては、物件の専用使用権として駐車場を使用する権利がついている場合もあります。反対に駐車場が満車あるいは不足している場合は周辺の月極駐車場も探します。
告知事項
最近では告知事項についても詳しく調査するようになりました。告知事項は「買主が知っていたなら購入しない可能性のある物件の重大な瑕疵や事実」のこと。物理的な不具合などが代表的ですが、心理的な瑕疵、つまり物件内での死亡事件や死亡事故も含まれます。非常に繊細な事項のため、少しでも気になる点があれば担当者に話しておきましょう。
マンション全体の確認ポイント
マンションで生活する上でエントランスやロビーといった共用部分の状態も大事です。また、修繕積立金が足りなければ大規模修繕もままなりません。こうしたマンション全体に関する事柄も査定では確認します。現地で確認するポイントも多いですが、管理会社などに問い合わせて確認する事柄も多いのが特徴です。
マンションの築年数
マンションがいつ建てられたかによって、そのマンションの耐震性能や防音性能がおおよそわかります。マンションの性能は建築時点の法律によって決まっているからです。築年数を知ることで新築価格からどれくらい価格が下がっているのかも推測できます。築年数を知ることはそのマンションを知る第一歩なのです。
マンションの耐震性能
マンションの耐震性能は購入を検討する際の重要な事項。最近では免震構造や制震構造といった新しい構造も登場しています。もちろん新しいマンションほど耐震性能は高いのですが、建築年次によってその性能は大きく変わるのです。耐震性能が大きく変わったのは1981年と2000年。これらの年の前後で性能が変わっています。
マンションの管理状態
マンションの管理状態は実際に共用部分を目視して確認します。このほか、管理会社の調査レポートも入手します。このレポートに記載されているのは修繕積立金の総額、管理費の滞納の状況といったマンション全体の管理に関わる事項です。これから売却しようとする物件にも滞納があるかもしれません。現地と管理会社のレポートでマンションの管理状態を把握します。
設備全般の状態
マンション全体での設備とはエレベーターや自動扉、郵便受けといったものです。大型のマンションでは集会室、ゴミステーションなども備えています。マンションにどんな設備があり、それがどんな状態にあるかを確認します。設備の有無は販売時のパンフレットなどを参考にし、その情報に基づいて現地で確認します。
ペット飼育
最近はペットを飼うことができるマンションも増えています。ひとくちにペット可のマンションといっても多種多様です。小型犬は飼育可能でも大型犬は不可、あるいは大型犬も可能のマンションもあります。ペット用の足洗い場などがある場合には現地でも確認しますが、まだ数が少ないのが現状です。
査定に有利な設備とは
最近は差別化を図るため、マンションにもいろいろな設備が付くようになりました。宅配ボックスなどが代表例です。このほか、災害時の自家発電設備、防災倉庫といった設備も注目されます。これらの設備も導入数が少なく、稀少性が認められる間はプラス査定となります。
マンション周辺環境の確認ポイント
マンションは周辺環境も重要です。「マンションは利便性と周辺環境で買う」という人もいるくらいです。物件の中は自分の意思でリフォームできても、周辺環境は自分たちの力ではどうしようもありません。どのような点を確認するのか、マンション査定の担当者の視点をみていきましょう。
駅からの距離など交通利便性
マンションの広告には「〇〇駅まで徒歩〇分」といったセールスポイントが記載されています。まっさきに出てくるのはやはり鉄道の駅などの交通利便性に関する事項です。新築マンションは駅から5分以内でないと売れない、という不動産会社の担当者もいます。都市部では駅に近いほうが有利でしょう。
商業施設、保育園や教育施設への利便性
スーパーマーケット、保育施設や教育機関は毎日利用する施設です。近いに越したことはありません。これらの施設に近いことはマンションのセールスポイントにもなります。あとはコンビニエンスストアです。人によっては毎日使うコンビニ。出店や閉店も早いですが、近くにあると確かに便利な施設です。
周辺物件の価格
マンションをはじめ不動産には相場があります。よほど高級なマンションでない限り、この相場を離れて価格を決定できないのです。これは現在あるマンションだけの話ではありません。将来販売される予定のマンションも、販売価格に影響を与える可能性があります。2023年現在では新築マンション価格は上昇傾向なので、売却価格にも影響を与えることでしょう。
マンション査定前に注意しておきたいポイント
これまで見てきたように、マンションの査定ポイントは数多くあります。査定の担当者も資料が何もない状態では満足な査定はできません。また、所有者側の準備や段取りで査定価格は変わる可能性もあります。どんな点に注意すべきか、マンション査定前にチェックしておきたいポイントの解説です。
マンション資料の準備
マンションの資料には管理規約、購入時の契約書、間取り図といったものがあります。これらの資料は査定前に準備し、すぐに提供できる状態にしておきましょう。これらの資料がないと査定に時間がかかったり、的確な査定額が出なかったりします。査定に限らず、何事も準備が大事です。
マンション内の片づけ、掃除
部屋の中はきちんと片付けておきましょう。雑然とした部屋では査定額も上がりません。もし住んでいない場合で残置物があればできるだけ撤去しておきましょう。きれいに片付いている部屋とそうでない部屋では担当者の印象も変わってきます。担当者も人間ですので、こうした印象は査定額にも影響があるのです。
あらかじめ自分で売却価格を調査しておく
査定を依頼したら、自分でも売却価格を調査しておきましょう。相場とかけ離れた査定額を出されることもあるからです。それは物件に問題があるなど、何か理由があるのでしょう。自分でも調査しておかないと、不動産会社からの査定額のまま売りに出さざるをえません。売却で損をしないためにも自分の価格目線を持っておくべきです。
マンション内の設備の故障などの確認と修理
物件内の設備が故障している場合は、その場所を確認しておきましょう。こうした瑕疵や不具合を告知しないのは、売主の責任となる可能性があります。不具合は必要に応じて修繕すべきですが、費用の少ない修繕にとどめておきましょう。多額の修繕費用をかけても回収できない可能性もありますし、次にお話しするようにリフォームはしないほうがよいからです。
リフォームは不要
リフォームして見栄えをよくしたほうが売れるのではないか、と考える人もいます。一般的に個人がマンション売却をする場合にはリフォームはしません。リフォームは購入した人が自由にしたい、という要望が多いからです。先ほどお話しした故障や不具合の修繕も少額のものにとどめておきましょう。もちろん、きれいにする必要はあるため、掃除はしておくべきです。
査定のポイントを押さえて納得の売却を
マンションの査定には多くのポイントを確認して価格を決定します。周辺環境やマンション全体のことなどは自分では変えられません。ですが、部屋の中のことは別です。部屋を掃除し、不具合があれば直せる範囲で直すだけでも査定額はプラス方向に動きます。ここでご紹介したチェックポイントを再度確認し、よりよい査定額を得られるようにしましょう。