
この記事のポイント
- 家の売却は、必要書類の準備から引渡しまで工程が多い
- 査定や売却活動では、不動産会社や担当者の選定が成否を大きく左右する
- 住宅ローン残債、契約不適合責任、税金や確定申告などのリスクに注意
「家の売却で失敗したくない」
「スムーズに家を売るために、注意点を事前に把握しておきたい」
家を売るのは人生における大きな決断なので、リスクを減らして、安心して取引を進めたいですよね。
そこで本記事では、家を売るときの注意点を売却の手順ごとに解説します。不動産売却で後悔したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
売却相場がわからず、悩んでいませんか?
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記事の構成
家を売るのは大変?まずは手順を確認しよう
家を売る時の注意点を理解するには、手順を把握しておく必要があります。
- 必要書類を揃える
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を進める
- 売買契約を締結する
- 決済・引渡しなどを済ませる
- 必要に応じて確定申告をする
さらに細分化することもできますが、細かい部分は注意点とあわせて紹介します。
家を売る時は、どのタイミングで何に気をつけるべきかを確実に把握して進めましょう。
家を売るときの「必要書類」に関する注意点
家の売却を考えたとき、必要書類を揃えることから始めましょう。必要書類が揃わないと、手間がかかるほか、売れにくく値引きを持ちかけられやすい物件になるケースがあります。
準備すべき書類は以下のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 登記事項証明書 (登記簿謄本) | ・登記記録の内容を証明するもの ・法務局で取得でき、オンライン申請も可能 |
| 確認済証・検査済証 | ・法令に適合していることを証するもの ・なければ買主が増改築をするときに手間と費用がかかる |
| 測量図・境界確認書 | ・隣地との境界を明らかにするもの ・売買契約の内容に応じて必要となり、取得には費用がかかる |
| 固定資産税の課税明細書 (納税通知書) | ・固定資産税評価額を確認するためのもの ・査定や登記にかかる登録免許税の計算に役立つ |
| 登記識別情報通知書 (登記済証・権利証) | ・登記における本人確認書類となるもの ・所有権移転登記の申請に必要 ・なければ登記費用が高くなることがある |
| 印鑑証明書 | ・印鑑が本人のものであることを証明するもの ・所有権移転登記の申請に必要 ・市区町村で取得でき、対応している場合はコンビニでも取得可能 |
特に、検査済証と測量図・境界確認書、登記識別情報通知書の有無はよく確認しましょう。ない場合、売れにくくなったり、余計に費用がかかったりします。
また、以下の書類があると、ない場合と比べて売却で有利になる可能性があります。
- インスペクションの結果報告書
- 住宅性能評価書
- 長期優良住宅認定通知書
- 耐震診断報告書
- 耐震基準適合証明書
- 修繕・点検の記録
- リフォームの実績がわかるもの
必要書類がわからない場合や見つからない場合などは、不動産会社と相談しながら対応しましょう。
家を売るときの「査定」に関する注意点
ある程度必要書類を準備できたら、不動産会社に査定を依頼します。査定とは、物件をいくらで売り出すかを決める際の参考として、不動産会社が物件の価格を評価することです。
不動産の査定では、以下の点に注意する必要があります。
- 相場価格を把握する
- 物件の種類や状態を考慮する
- 複数社に査定を依頼する
- 相談先を見極める
不動産会社に査定を依頼する前に、よく確認しましょう。
相場価格を把握する
家を売るときは、不動産会社から提示される査定価格やご自身での調査結果を通じて、相場価格を把握することが大切です。相場がわからなければ、以下のような不利益を被る可能性があります。
- 売出価格を相場より高く設定してなかなか売れない
- 売出価格を相場より低く設定して安売りしてしまう
- 値引き交渉に対して適切に対応できない
査定価格だけでなく、以下のような情報源を参考に、ご自身でも相場を把握しましょう。
- 売却中の物件が掲載されている不動産ポータルサイト
- 不動産の取引価格情報が集計されている不動産情報ライブラリ
いくらで売れそうかといった相場感を掴んでおくことで、適正価格での取引につながります。
物件の種類や状態を考慮する
査定は、物件の種類や状態を考慮してもらうことが大切です。家の状態を考慮した適正な査定額を出してもらうことで、スムーズな売却につながります。
たとえば、以下のようにポジティブな情報は、査定時に不動産会社に伝えておきましょう。
- インスペクションを実施した
- 住宅性能評価書を取得している
- 長期優良住宅に認定されている
- 耐震基準適合証明書がある
- 修繕・リフォームを実施した
中古物件の買主は、古いこと自体のほか、耐震性や履歴情報がわからないことに不安を持っています。こうした不安を解消することで、家をより高く・早く売ることにつながります。
反対に、以下のようなネガティブな情報も隠さず伝えておくことが必要です。
- シロアリ被害がある
- 雨漏りをしている
- 家に傾きがある
- 調子の悪い設備がある
特に、ボロ家と呼ばれるような戸建てを売却する際の注意点です。もちろん、中古マンションを売却する際もネガティブ情報を隠さずに伝える必要があります。
欠陥や不具合を知りながら買主に伝えなかった場合、契約不適合責任を追及され、修理や交換にかかる費用の負担を強いられる可能性があります。
複数社に査定を依頼する
家をより早く・高く売りたいなら、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
どのような要素をどれほど考慮して査定するかは、不動産会社によって異なります。査定価格は、不動産会社で数百万円ほど差が出ることも珍しくありません。
各社から査定価格の根拠を聞き、納得のいく説明をしてくれるか比較することも大切です。
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相談先を見極める
戸建てやマンションを売るとき、どこに相談するか迷う方も少なくありません。複数社に査定を依頼することは、家の売却をサポートしてくれる不動産会社選びにも役立ちます。
査定を通じて家の売却を相談する際、対応は丁寧か、地域での売却実績が豊富かなどを確認しましょう。 不動産会社そのものはもちろん、担当者の対応の早さや信頼性についてもチェックが必要です。
不動産会社の選び方は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
家を売るときの「媒介契約」に関する注意点
媒介契約とは、買主探しや交渉、売買契約の締結、決済・引渡しのサポートを依頼する不動産会社との契約です。
媒介契約に関しては、以下の2点に注意する必要があります。
- 最適な媒介契約の種類を選ぶ
- 売却活動の内容を確認する
早期・高値売却をするうえで重要な注意点なので、よく確認しましょう。
最適な媒介契約の種類を選ぶ
媒介契約には、一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
| 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
| 他社にも依頼 | できる | できない | できない |
| 自分で見つけた 買主と契約 |
できる | できる | できない |
| レインズ登録 | 義務なし | 7営業日以内 | 5営業日以内 |
| 業処理状況報告 | 義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
一般媒介契約より、(専属)専任媒介契約のほうが不動産会社から手厚いサポートを受けられるといわれています。どの媒介契約を選ぶかは難しい問題ですが、たとえば以下のような選び方が考えられます。
- 家を売ることを不動産会社以外には知られたくない場合、レインズへの登録が不要な一般媒介契約
- 自分で買主を見つける可能性がある場合、自己発見取引が禁止されていない専任媒介契約
なお、家を売ることを知られたくないときは、不動産会社に家を売る「買取」も検討するとよいでしょう。
売却活動の内容を確認する
どのような売却活動が行われるかは不動産会社によって異なるため、具体的な売却活動を確認しておくことも大切です。
たとえば、不動産会社によっては折り込みチラシでの広告は実施しません。また、自ら多くの顧客を抱えている不動産会社もあります。
売却活動の内容を確認することで、その不動産会社の販売力を見極められます。
家を売るときの「住宅ローン」に関する注意点
35年など長期で住宅ローンを組む方が多いなか、住宅ローン中の家を手放したい・売却したい方も増えています。離婚に際して、ローン中の家を売却したいと考える方もいます。
結論、住宅ローンが残っている家(ローン中の家)を売却することは可能です。ただし、家を売って住宅ローンを完済できるかなど、以下の注意点があります。
- オーバーローンに対処する
- 繰上返済に手数料が発生する場合がある
- 融資特約で売買契約が解除される可能性もある
それぞれ解説します。
オーバーローンに対処する
オーバーローンとは、家を売った後もローンを完済できず、債務が残る状態です。通常、家の査定額と住宅ローンの残債額を比較して検討します。
オーバーローンでは、住宅ローンの延滞時に、金融機関などが家を売ってお金を回収する権利(抵当権)を原則として解除できません。抵当権が残っている限り、金融機関の承諾なく勝手に売却するのは契約違反です。
したがって、オーバーローンの家を売却するには次のいずれかの方法で対処する必要があります。
- 金融機関から売却の承諾を得る(任意売却)
- 不足分は自己資金で完済する
- 不足分は住み替えローンで完済する
任意売却は、金融機関からの承諾を得られるか不確実です。また、個人信用情報が悪化し、売却後も住宅ローンの返済が続く点に注意する必要があります。
住み替えローンは審査に通るか不確実であるうえ、諸費用の負担がかかる点に注意が必要です。
繰上返済に手数料が発生する場合がある
ローン中に家を売るときは、売却代金を住宅ローンの返済にあてます。この返済は繰上返済となり、金融機関や返済方法によっては手数料が発生する点に注意が必要です。
繰上返済にかかる手数料は、住宅ローンを利用している金融機関の公式サイトなどから確認しましょう。
融資特約で売買契約が解除される可能性もある
融資特約とは、買主が住宅ローンを(一部)否決となった場合に売買契約が白紙になる特約です。契約内容によって異なりますが、融資特約で契約が白紙になった場合、売主は手付金も返還しなければなりません。
売主は融資特約で売買契約が白紙になることも想定し、手付金は手元に留めておくといった対応も大切です。契約成立後も、実際に決済・引渡しが行われるまで気を抜けません。
家を売るときの「売却活動」に関する注意点
売却活動に関する注意点は、以下の3点です。
- 売却期間は3カ月から1年が目安
- 売出価格は値引きを考慮して決める
- 内見に備えて家を綺麗にしておく
それぞれ解説します。
売却期間は3カ月から1年が目安
売却にかかる期間は、売れやすい物件かどうか、相場より割安かどうかなど多様な要素によって変わりますが、3カ月から1年が目安です。
売却期間が長いほど、内見対応や固定資産税で負担が大きくなりやすいので注意しておきましょう。
特に一戸建てで土地の面積(地積)を実測して売買するときは、隣地との境界確定や測量などに時間がかかります。
売出価格は値引きを考慮して決める
売却活動において、家をいくらで売り出すかは、売主自身が決めます。売出価格を決めるときは、購入希望者から値引きの交渉をされることを前提に決めることが大切です。
不動産の売買は値引き交渉をされることが多いため、実際の希望売却価格より少し高めに売出価格を設定するとよいでしょう。なお、相場より高すぎると売却期間の長期化につながるおそれがあるため注意してください。
内見に備えて家を片付けておく
内見に備えて、片付けや掃除を怠らないようにしましょう。片付けや掃除が行き届いていない場合、内見者の購買意欲が低下するおそれがあります。
場合によっては、専門業者が行うハウスクリーニングを依頼するといった対応も検討しましょう。
なお、住みながら売却を進める際など、売主自身が内見に対応することもできます。実際に住んでいる人が物件の魅力を伝えることで、購買意欲を高めることができるでしょう。
事前にアピールポイントをまとめておくことも大切です。
家を売るときの「売買契約」に関する注意点
買主が決まると、いよいよ売買契約を締結します。不動産売買契約における売主の注意点は、以下のとおりです。
- 約束事は書面に残す
- 公簿売買か実測売買かを確認する
- 融資特約や買換え特約の有無を確認する
- 手付金の性質を確認する
- 契約不適合責任の内容や期間を確認する
- 登記申請や引渡しの時期に無理がないか確認する
買主と口頭でやり取りした内容も、契約書に記載されていなければ、後で口約束があったと証明するのは容易ではありません。特に、売主に有利な約束を交わした場合は、不動産会社を通じて契約書に反映しましょう。
また、実測売買は売主の負担も大きくなりがちです。測量や境界の確認にかかる手間を考慮し、決済・引渡しの時期を検討する必要があります。
売買契約について不安がある場合は不動産会社に相談し、不安が残ったままの契約締結は避けるべきです。
家を売るときの「税金」に関する注意点
家を売るときは、税金が発生する可能性があります。実際には印紙税や登録免許税を負担するケースもありますが、ここでは高額になる可能性がある譲渡所得税について解説します。
不動産を売却したときの税金の計算方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

譲渡所得税を把握する
譲渡所得税とは、不動産などを譲渡して税法上の利益(所得)がある場合にかかる所得税・住民税です。譲渡所得税は、おおむね以下の計算式で求めます。
譲渡所得 = 譲渡価額 – ( 取得費 + 譲渡費用 )
譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率
譲渡所得税の計算における注意点は、次のとおりです。
- 譲渡価額(総収入金額)には、売却から年末までの期間に対応する固定資産税や都市計画税相当額の支払いを受けた場合は、この金額も含める
- 取得費には、購入代金や建築代金だけでなく、取得時の仲介手数料や登記費用、測量費なども含められる
- 古い家など購入代金や建築代金がわからなくても、譲渡価額の5%を取得費として計算できる
- 建物の取得費は、購入代金や建築代金そのままではなく、減価償却費相当額を控除する
- 税率は、不動産の所有期間が5年以下なら高く、5年超えなら低くなる
取得費に含められる費用を漏れなく含めることで、適正に税金を計算できます。
確定申告する
一定のマイホームを売却すると、譲渡所得が3,000万円以下なら譲渡所得税は発生しない特例があります。特例により譲渡所得税が発生しないケースも多いですが、原則として確定申告をしなければ適用されないことに注意が必要です。
特定の状況における家を売るときの注意点
ここでは特定の状況ならではの注意点をお伝えします。
古い家を売るときの注意点
築年数が古い家は、建物の価値が低く見られやすい点に注意が必要です。
耐震基準を満たしていない場合や劣化が進んでいる場合は、解体前提や土地評価のみで査定されることもあります。また、契約不適合責任を問われないよう、雨漏りやシロアリ被害などの状態は事前に把握・開示しておくことが重要です。
住んでいる家を売るときの注意点
居住中の売却では、内覧対応が価格や成約スピードに影響します。
生活感が強いと印象が下がりやすいため、整理整頓や簡単な清掃が欠かせません。また、売却と住み替えのタイミングがずれると仮住まいが必要になるため、引き渡し時期や資金計画を事前に整理しておく必要があります。
空き家を売るときの注意点
空き家は人が住んでいない分、劣化が進みやすく管理状態が価格に直結します。放置期間が長いと修繕費を見込んで査定額が下がることもあります。
また、特定空き家に指定されると税負担が増える可能性があるため、早めの売却判断や管理の継続が重要です。
【必見】家を売るときにやってはいけないこと15選
最後に、本記事で紹介した内容をふまえて、家を売るときにやってはいけないことをまとめます。
- 必要書類を揃えない
- 自分で相場を把握しない
- 1社にだけ査定を依頼する
- 物件の状況を不動産会社に伝えない
- 欠陥や不具合を不動産会社や買主に隠す
- 不動産売却にかかる費用と税金を把握しない
- 媒介契約の種類を検討しない
- 売却活動の内容を把握しない
- 不動産会社・担当者選びを大切にしない
- オーバーローンかどうかを見極めない
- 売出価格を決める際に値引きを考慮しない
- 内見前に家を綺麗にしない
- 不安を解消しないまま売買契約を締結する
- 決済・引渡しの前に手付金を使ってしまう
- 譲渡所得があるのに確定申告をしない
ぜひ家を売る際のチェックリストとしてご活用ください。
まとめ
家を売るときの注意点をすべて実践することは、決して簡単なことではありません。そもそも必要書類は何か、契約書はどのように見ればよいのかなど、悩むことも少なくないでしょう。
しかし、「信頼できる不動産会社」に売却を相談することで、本記事で紹介した注意点について充実したサポートを受けられます。
不動産売却の失敗を避けるためには、信頼できる不動産会社を選び、連携をとりながら売却を進めることが重要です。


















































